シューマン:ヴァイオリンソナタ第1番&第2番



シューマン:ヴァイオリンソナタ第1番&第2番
シューマン:ヴァイオリンソナタ第1番&第2番

商品カテゴリー:ミュージック,CD,DVD,クラシック,音楽
収録曲:ヴァイオリン・ソナタ第1番イ短調op.105, ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ短調op.121,
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万人向きのシューマン

シューマンのヴァイオリン・ソナタにはたくさんのCDが出ているが、このクレーメル/アルゲリッチのCDは最も過不足のない、万人向けのシューマンだと思う。

ヴァイオリン・ソナタの第1番は、曲想(あるはメロディー)を強調すると、ひどく暗くなったり、じめじめした雰囲気になる場合がある。かといって、クールに演奏すると、曲の味わいが薄れ無意味な演奏になりがちになる。そこで曲の意味を持たせながら、暗い雰囲気やじめじめした雰囲気をいかに克服できるのか、という問題がこの曲を演奏する上での課題となる。

その点、クレーメルとアルゲリッチは、上手くこの曲の処理を行っている。情熱的でありながら、落ちついた側面もあり、シューマン独特の曲想やロマティックな雰囲気を生かしながら、巧みに演奏していく。技術ばかりが先行する演奏とは異なり、曲の意味を常に感じさせつつも、決してべたつかず、くどくならず、すっきりと全体をまとめている、という印象。

音楽の流れもよく、まさに万人向け、と言いたくなる名演ではないだろうか。

ただし、マニアの人には、あまりにも万人向けすぎ、個性や面白みに欠ける、と感じる人もあるかも知れない。特にアルゲリッチが競演の相手なので、個性的な演奏を期待する人もあるかも知れず、それを考慮して星4つとした。

しかし、はじめてこの曲を聴く人や、個性的な演奏が苦手な人にとっては、星5つとして扱いたい。
ワインを飲みながら聴きたい

1985年11月、La Chaux de Fonds(CH)、Saile de Misiqueにて録音。クレーメルはほとんどと言っていいほどヴァイオリン・ソナタの相手にマルタ・アルゲリッチを選んでいる。これは逆を言えばアルゲリッチはヴァイオリン・ソナタの相手にクレーメルを選んでいる、とも言える。それだけ二人は仲も良いのだろうし(ミッシャ・マイスキーも仲良しだな)、音的にも合っているのだろう。これもなかなか良い演奏だ。

どちらも殺し合わず、良いところだけが輝き合う演奏というのはそうはない。その上お互いの力量が非常に高いレベルで拮抗しているとしたらなおさらだ。僕はヴァイオリン・ソナタで一番好きな曲はブラームスの『雨の歌』だが、シューマンのこの2曲もなかなかだな、と思った。

聴いていて実に気持ちが良い。優雅だ。優雅というのはなかなか出せない味だと思う。ワインを飲みながら聴きたいアルバムだ。



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